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大型連休を挟んだ否認事件において、早期の釈放を実現しました

GWや祝日が重なる中では、捜査機関の捜査も止まるため通常よりも事件の処理が滞ります。裁判所のスタンスとしては大型連休であるがゆえに身体拘束中の被疑者の捜査が遅れることは許されない、というのが建前のようですが、実際は大型連休中の捜査が後れていることを理由に勾留延長請求の却下することはほとんどありません。本音と建て前がみえる公権力の嫌なところです。(休みの日も働け!というつもりはないのですが、捕まっている人に休みはない以上、少し考えてほしいものです…)

しかし、今回弊所の坪内が対応した事案は、通常であればこのような大型連休を挟み、勾留延長が認められて20日間の身体拘束となるところ、勾留延長後1日の計11日で釈放が認められました。

事案の概要は、外国人による覚醒剤の共同所持です。ルームシェアをしていた外国人の1人が覚醒剤を所持していたが故にそこに住んでいた外国人が皆逮捕されました。私の依頼人は、「覚醒剤なんて知らない」と否認をしていました。

このような外国人の事案ですと、日本人と比して「疑わしき者は逮捕」ということになりやすいですし、捜査が長期化する(言語の問題や身上の調査に時間がかかる)ことが多く、短期での釈放はより困難です。

しかし、本件においては、あえて依頼人は真実を捜査機関に伝えるよう指示し、捜査機関に十分に情報が伝わったと考えられるタイミングで勾留取消請求を行いました。
勾留取消請求とは、身体拘束の必要性及び相当性がなくった際(示談が成立する等)に認められるものですが、今回は否認事件かつ外国人、勾留の必要性がないとまでは裁判所は言わないだろうと思いました。もっとも、調べの状況からは捜査機関は既に他の共犯者に捜査の矛先を向けていることを感じ、この点でも弁護人による勾留取消請求によって捜査機関が依頼人を釈放するのではないか、と考えました。

そして、勾留取消請求を申し立てると、裁判所からは「検察官が既に釈放を指示した」と電話がありました。結果としては請求が認められたわけではないのですが、依頼人が早期に釈放されたことで日本での職を失わずにすみました。

刑事事件における活動は捜査機関との駆け引きの要素があるのも事実です。
捜査機関の動きを読み、依頼人の利益になるよう、弊所は今後も邁進していきます。

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